タイのチップ完全ガイド！相場や渡し方、不要な場面を徹底解説

「タイ旅行に行くけど、チップの文化がよくわからない…」

「マッサージを受けたら、いくら渡せばいいの？」

「レストランでサービス料が加算されてるけど、それでもチップは必要？」

微笑みの国・タイへの旅行を前に、こうした「チップ」に関する疑問や不安を抱えていませんか？欧米とは少し違うタイ独自のチップ文化。

知らないでいると、意図せず失礼なことをしてしまったり、逆に払いすぎてしまったりすることも。せっかくの楽しい旅行、お金のことで気まずい思いはしたくないですよね。

ご安心ください！この記事を読めば、タイのチップに関するあらゆる疑問がスッキリ解決します。

タイでの生活経験が豊富な筆者が、2025年の最新情報を基に、ホテルやマッサージ、レストランといったシーン別のチップ相場から、スマートな渡し方のマナー、そしてチップが不要な場面まで、具体的かつ丁寧に解説します。

この記事をガイドブック代わりに、タイのチップ文化をマスターし、感謝の気持ちをスマートに伝えて、現地の人々とより良いコミュニケーションを楽しみましょう！

まずは基本から！タイのチップ文化を理解しよう

タイのチップ文化を理解する上で最も大切なのは、チップが「義務」ではなく、あくまで「感謝の気持ち（心付け）」であるという点です。素晴らしいサービスを受けた際に、その感謝を形にして伝えるための習慣であり、強制されるものではありません。

チップは「義務」ではなく「心付け」

欧米のように「料金の〇%」といった厳密なルールはなく、タイ人自身も日常的にチップを渡す習慣はあまりありません。

しかし、観光客が頻繁に訪れる場所では、良いサービスに対してチップを渡すことが一種のマナーとして定着しつつあります。

特に、日本人観光客はサービスに対して寛大であるというイメージも持たれているため、期待されている側面もあります。

サービス料（Service Charge）10%が含まれていれば基本的に不要

タイ旅行で最も混乱しやすいのが、この「サービス料」の存在です。比較的グレードの高いレストランやホテルでは、会計時に自動的に「Service Charge 10%」が加算されていることがほとんどです。この場合、既にサービスに対する対価は支払っていることになるため、原則として別途チップを支払う必要はありません。

会計伝票（ビル）に「Service Charge」や「S.C.」といった項目があるかどうか、必ず確認する習慣をつけましょう。

【シーン別】2025年最新版！タイのチップ相場と渡し方

それでは、具体的にどのような場面で、いくらくらいのチップを渡すのがスマートなのでしょうか。2025年現在の最新の相場を、シーン別に詳しく見ていきましょう。

シーン	チップの要不要	相場（目安）	ポイント
レストラン（高級店）	サービス料10%があれば不要	お釣りの小銭 or 20～100THB	サービス料の有無を伝票で確認。特別なサービスには追加で渡すとスマート。
レストラン（ローカル）	基本的に不要	気持ち程度（お釣りの小銭など）	義務ではないが、美味しい・親切だった場合に。
マッサージ・スパ	ほぼ必須	施術料の10%～、最低50THB～	施術後に担当者に直接手渡すのがマナー。2時間なら100THBが目安。
ホテル（ベッドメイク）	ほぼ必須	20～50THB/泊	毎朝、枕元やサイドテーブルに置く。
ホテル（ポーター）	ほぼ必須	20～50THB	荷物を部屋まで運んでくれた際に手渡す。
タクシー・Grab	基本的に不要	お釣りの端数（10THB未満）	荷物運びを手伝ってもらうなど、特別な対応をされた場合に。
屋台・フードコート	不要	-	チップの習慣は全くない。

※ 1THB ≒ 4.5円（2025年10月現在）

① マッサージ・スパ

タイ旅行のハイライトとも言えるマッサージやスパでは、チップはほぼ必須のマナーと考えられています。 施術者の給料は歩合制であることが多く、チップが重要な収入源になっているからです。

相場は施術料金の10%〜、最低でも50バーツから

街中のカジュアルなマッサージ店（1時間300THB程度）であれば、1時間の施術で50THB（約225円）、2時間であれば100THB（約450円）が一般的な相場です。 高級スパで素晴らしいサービスを受けたと感じた場合は、施術料金の10%～15%を目安に、少し多めに渡すと喜ばれるでしょう。

スマートな渡し方

チップは、施術が終わって着替えを済ませた後、お茶などをいただいているタイミングで、担当してくれた施術者に直接手渡すのが最もスマートです。 受付でまとめて支払うのではなく、個人に渡すのがポイント。 「コープクン・クラップ（カー）」（ありがとう）と笑顔で伝えながら渡しましょう。

② ホテル

ホテルでは、様々なスタッフにお世話になります。特に、部屋を毎日きれいにしてくれる清掃員や、重い荷物を運んでくれるポーターには感謝の気持ちを伝えたいものです。

ベッドメイキング（枕元に置く）

毎日のルームクリーニングに対して、1泊あたり20～50THB（約90円～225円）を枕元かサイドテーブルの上に置いておくのが一般的です。

連泊する場合は、毎朝外出する前に置いておきましょう。

ポーター（荷物を運んでもらった時）

チェックイン時に、ベルボーイやポーターにスーツケースなどの荷物を部屋まで運んでもらったら、荷物1個につき20THB程度（約90円）を手渡しましょう。

荷物の個数が多い場合や、特に重い荷物だった場合は50THB（約225円）ほど渡すと丁寧です。

③ レストラン

レストランでのチップは、お店の格によって対応が分かれます。重要なのは、前述の通り「サービス料」が含まれているかどうかです。

サービス料の有無を確認する方法

会計時に渡される伝票（タイ語で「チェックビン」）を必ず確認しましょう。「Service Charge 10%」や「S.C. 10%」という記載があれば、チップは不要です。記載がない場合は、チップを上乗せして支払うのがスマートです。

チップを渡す場合の相場とタイミング

サービス料が含まれていない場合、会計金額の10%未満、またはお釣りの紙幣を残すのが一般的です。例えば、会計が450THBだったら、500THBを渡してお釣りの50THBをそのままテーブルに置いてくる、といった形です。

クレジットカードで支払う場合でも、チップは現金でテーブルに置いておくのが良いでしょう。

④ タクシー・配車アプリ（Grab）

メータータクシーや、配車アプリのGrab（グラブ）では、基本的にチップは不要です。

しかし、運転手が親切だったり、重い荷物の積み下ろしを手伝ってくれたりした場合には、感謝の気持ちとしてお釣りの端数（10THB未満の硬貨など）を「Keep the change.（お釣りは取っておいて）」と言って渡すと喜ばれます。

これだけは押さえたい！スマートなチップの渡し方マナー

チップは金額だけでなく、渡し方も大切です。相手に敬意を払い、気持ちよく受け取ってもらうためのマナーをご紹介します。

20バーツ以上の紙幣で渡すのが基本

タイでは、硬貨（コイン）は「施し物」というニュアンスが強く、チップとして渡すのは失礼にあたるとされています。感謝の気持ちを伝えるチップは、必ず一番額面の低い20THB（約90円）以上の紙幣で渡すようにしましょう。そのためにも、旅行中は20バーツ札や50バーツ札を多めに用意しておくと非常に便利です。

さりげなく、感謝の言葉と共に

チップを渡す際は、お金をひけらかすように渡すのではなく、相手の目を見て「コープクン・クラップ（カー）」（ありがとう）と伝えながら、そっと手渡すのがスマートです。紙幣を小さく折りたたんで渡すと、より丁寧な印象になります。

タイのチップに関するよくある質問（FAQ）

• ゴルフのキャディーさんへのチップはいくらですか？

  ゴルフ場でのキャディーへのチップは、他のシーンとは少し異なり、ほぼ必須のマナーとなっています。相場は18ホールで300～500THB（約1,350円～2,250円）です。プレー終了後、クラブハウスなどで直接手渡しましょう。
  

• クレジットカードでチップは払えますか？

  基本的にタイでは、チップは現金で渡すのが一般的です。クレジットカードの支払い時にチップ額を上乗せできるお店は稀です。特にマッサージ師やホテルのポーターなど個人に渡す場合は、必ず現金（20バーツ以上の紙幣）を用意しておきましょう。
  

• チップを渡し忘れたらどうなりますか？

  チップは義務ではないため、渡し忘れてもトラブルになることはほとんどありません。しかし、特にマッサージなどサービス業ではチップが期待されているため、後から気づいた場合は、可能であれば渡しに戻るとより丁寧です。
  

• タイ人はチップを渡しますか？

  タイ人同士では、日常的にチップを渡す習慣はあまりありません。しかし、外国人観光客が利用するようなレストランやホテルでは、サービス料が含まれていない場合、タイ人でもチップを渡すことがあります。ケースバイケースと言えるでしょう。
  

• 20バーツ紙幣がない場合はどうすればいいですか？

  コンビニエンスストアなどで少額の買い物をすれば、お釣りで20バーツ紙幣を手に入れることができます。チップを渡す機会は多いので、旅行中は常に数枚の20バーツ札を財布に入れておくことを強くおすすめします。

まとめ

タイのチップ文化は、一見複雑に感じるかもしれませんが、「感謝の気持ちを形にする」というシンプルな心遣いが基本です。この記事で解説したポイントを押さえれば、もうチップで悩むことはありません。

• 基本：チップは「義務」ではなく「心付け」。

• 確認：レストランやホテルでは、まず「サービス料10%」の有無を伝票でチェック。

• 相場：マッサージは50～100THB、ホテルの枕銭は20～50THBが目安。

• マナー：硬貨はNG！必ず20THB以上の紙幣で、感謝の言葉と共に渡す。

チップをスマートに使いこなすことは、タイでのコミュニケーションを円滑にし、旅をより一層豊かなものにしてくれます。素晴らしいサービスには「ありがとう」の気持ちを込めてチップを渡し、現地の人々との心温まる交流を楽しんでください！