タイの仏教を徹底解説!日本との違いやタンブン文化、寺院マナーまで
- プーム

- 1 日前
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「タイ旅行で寺院巡りをするけど、タイの仏教って日本の仏教と何が違うの?」 「街でよく見かけるオレンジ色の衣を着たお坊さんは何をしているの?」 「タンブンってよく聞くけど、具体的にどういう意味?」
きらびやかな寺院が数多く存在するタイ。その美しい光景に心惹かれる一方で、背景にある仏教文化については意外と知らないことが多いのではないでしょうか。 タイの人々の穏やかな微笑みの理由や、生活の隅々に根付いている信仰の形を知れば、あなたのタイ旅行はさらに深く、味わい豊かなものになるはずです。
でも、ご安心ください! この記事では、タイでの生活経験が豊富な筆者が、2025年の最新情報をもとに、タイの仏教の宗派や特徴、日本との違い、そしてタイ人の生活に欠かせない「タンブン(徳を積む行為)」という文化まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
この記事を読めば、タイの仏教に関する基本的な知識から、観光客が知っておくべき寺院でのマナーまで全て分かります。 タイ文化への理解を深め、心に残る旅の準備を始めましょう!
タイの宗教の基本情報|90%以上が仏教徒

タイは、世界でも有数の仏教国として知られています。2025年の最新の統計を見ても、その事実は明らかです。タイの宗教構成は以下のようになっています。
仏教:約93.4%
イスラム教:約5.4%
キリスト教:約1.2%
この数字が示す通り、国民の圧倒的多数が仏教徒であり、仏教がタイの法律、社会、芸術、そして人々の日常生活のあらゆる側面に深く影響を与えていることがわかります。街の至る所に壮麗な寺院(ワット)が存在し、オレンジ色の衣をまとった僧侶が托鉢をする光景は、タイの日常そのものなのです。
タイ仏教の宗派と特徴|日本との違いは?

「同じ仏教でも、日本の仏教とは何が違うの?」これは多くの人が抱く疑問です。
タイで信仰されている仏教は上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)と呼ばれ、日本の大乗仏教(だいじょうぶっきょう)とは異なる特徴を持っています。
項目 | タイ(上座部仏教) | 日本(大乗仏教) |
目標 | 個人の解脱・悟り(阿羅漢を目指す) | すべての生き物の救済(菩薩を目指す) |
出家 | 男子は一生に一度は経験すべき徳積み | 専門職としての僧侶 |
戒律 | 227の戒律を厳格に守る | 宗派により戒律の解釈は多様 |
僧侶の結婚 | 不可 | 宗派により可能 |
食事 | 1日2食(正午以降は食事をしない) | 宗派によるが、一般的に制限は少ない |
簡単に言うと、上座部仏教は「個人の修行による悟り」を重視し、仏陀の教えを厳格に守るスタイルです。一方、大乗仏教は「他者を救済しながら共に悟りを目指す」という考え方が基本にあります。この違いが、僧侶のあり方や人々の信仰の形に大きく影響しているのです。
タイ人の生活に根付く「タンブン(徳を積む行為)」とは?

タイの文化を理解する上で最も重要なキーワードの一つが「タンブン(ทำบุญ)」です。
これは「徳を積む」「功徳を積む」という意味の言葉で、タイ人の生活のあらゆる場面に深く根付いています。
タイの人々は「輪廻転生」と「カルマ(業)」の思想を強く信じています。現世での行いが来世の運命を決めると考えられており、より良い来世を迎えるために、現世でタンブンをすることが非常に重要だとされているのです。
具体的なタンブンの方法
タンブンには様々な形があります。特別なことだけでなく、日常のささいな善行もタンブンに含まれます。
托鉢(たくはつ):早朝、街を歩く僧侶にご飯やおかず、飲み物などを施す。
寺院への寄進:お賽銭を入れたり、寺院の修復費用などを寄付する。(お布施)
生き物の解放:市場で売られている鳥や魚を買い、自然に放してあげる。(放生)
貧しい人への施し:困っている人に食事やお金を分け与える。
短期出家:男性が僧侶となって修行する。
観光客でもできる!タイの仏教文化に触れる体験

タイの仏教文化は、ただ見学するだけでなく、実際に体験することでより深く理解できます。観光客でも気軽に参加できるタンブンの方法をご紹介します。
托鉢に参加してみる
ホテルの近くや市場などで、早朝に托鉢の光景を見ることができます。
見学するだけでも貴重な体験ですが、もし参加してみたい場合は、近くの屋台で売られているお供え物セット(約50〜100THB/約225〜450円)を購入して僧侶に渡してみましょう。渡す際は、僧侶より体を低くし、敬意を払うのがマナーです。
女性は僧侶の体に直接触れないように特に注意してください。
寺院でお参りをする
寺院を訪れた際は、ぜひ本堂でお参りをしてみましょう。
靴を脱いで中に入り、正座をして静かに手を合わせます。お賽銭箱があれば、少額でも寄進することでタンブンになります。
タイのお寺のおみくじ「シアムシー(เซียมซี)」に挑戦してみるのも面白い体験です。
タイの寺院を訪れる際の服装とマナー

神聖な場所である寺院を訪れる際は、敬意を払った服装と行動が求められます。マナー違反で入場を断られることがないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
服装:男女ともに、肩と膝が隠れる服装が基本です。タンクトップ、キャミソール、ショートパンツ、ミニスカート、破れたジーンズなどは避けましょう。薄手のストールやカーディガンを一枚持っていくと、露出を調整できて便利です。
履物:本堂など、建物に入る際は必ず靴を脱ぎます。着脱しやすいサンダルなどが便利ですが、かかとのないビーチサンダルのようなラフすぎるものは避けた方が無難です。
行動:大声で騒いだり、走り回ったりするのは厳禁です。仏像にむやみに触れたり、指をさしたりしないようにしましょう。特に女性は、僧侶の体に触れてはいけません。
タイの仏教に関するよくある質問(FAQ)

タイの僧侶はなぜオレンジ色(黄色)の衣を着ているのですか?
仏教では、オレンジや黄土色は「俗世からの離脱」を象徴する色とされています。 この色の衣は、お釈迦様が着ていた衣の色に由来すると言われ、質素と謙虚さを示しています。
寺院の敷地内にある祠(ほこら)は何ですか?
それは「サーン・プラプーム」と呼ばれる、土地の精霊を祀るための祠です。 タイでは仏教が広まる以前からの精霊信仰(アニミズム)が今も根強く残っており、仏教と融合しています。 人々は建物を建てる際に土地の精霊に挨拶し、日々の平穏を祈ります。
タイの男性は必ず出家しなければならないのですか?
法律で定められた義務ではありませんが、社会的に「徳の高い行為」と見なされており、多くの男性が成人するまで、あるいは人生の節目に経験します。 出家を経験することは、本人だけでなく家族にとっても大きな誇りとなります。
女性は僧侶になれないのですか?
タイの上座部仏教の戒律では、女性が正式な僧侶(比丘尼)になるための伝統が途絶えており、現在では認められていません。 しかし、「メーチー」と呼ばれる、髪を剃り白い衣をまとって修行生活を送る女性は存在します。
お布施(寄付)はいくらくらいすれば良いですか?
決まった金額はありません。 あくまで「気持ち」なので、無理のない範囲で大丈夫です。お賽銭箱には20THB(約90円)紙幣を入れる人が多いですが、小銭でも全く問題ありません。 大切なのは、感謝と敬意の心です。
まとめ

今回は、タイの生活と文化の根幹をなす仏教について、その特徴や日本との違い、そして「タンブン」という美しい文化を解説しました。
タイの仏教は上座部仏教で、国民の9割以上が信仰している。
日本の大乗仏教とは異なり、個人の修行を重んじ、厳格な戒律がある。
タンブン(徳を積む行為)はタイ人の生活に深く根付いており、来世の幸福を願う大切な習慣である。
托鉢への施しや寺院への寄進など、観光客でも気軽にタンブンを体験できる。
寺院を訪れる際は、肩と膝を隠す服装など、敬意を払ったマナーが不可欠。
タイの人々の穏やかさや親切さは、この仏教の教えとタンブンの精神から来ているのかもしれません。 次にタイを訪れる際は、きらびやかな寺院の装飾だけでなく、そこに流れる人々の祈りや信仰心にも目を向けてみてください。 きっと、今までとは違うタイの魅力が見えてくるはずです。




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